高周波加熱とは?(VOL-3)



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◇◇◇◇◇◇VOL-3「高周波誘導加熱の原理」◇◇◇◇◇◇

今回は、弊社のホームページ「技術トピック」に掲載しています高周波誘導加熱の原理を
もう少し、分かりやすくまとめてみました。

ホームページ:http://www.eguchi-hf.co.jp.

「高周波誘導加熱」は、次の5つの電気の基礎知識を理解し、つなぎ合わせることで、その原理を説明することができます。
・金属の電気抵抗
・オームの法則
・電流が流れる金属の発熱
・電流による磁界の発生
・電磁誘導

(1)金属の抵抗

良くご存知のように、金属の抵抗R(Ω)は、金属の抵抗率ρと長さLに比例し、断面積Sに反比例します。
ここで重要なことは、長さLとは、電流の流れる方向の長さで、断面積Sとは、電流の流れに垂直な面の断面積ということです。

(2)オームの法則

これも、良くご存知のように、金属のような抵抗R(Ω)に、電圧E(V)を印加すると、電圧Eに比例し、抵抗Rに反比例した電流I(A)が流れるというものです。
簡単のために、直流で表現していますが、交流でも抵抗RをインピーダンスZに置き換えることで、同様のことが成り立ちます。

(3)電流が流れる金属の発熱

抵抗Rに電流Iが流れると熱が発生します。その発熱量は、ジュールの法則で、下記の図で与えられます。
t秒間流れたときの、トータルの熱量では、0.24×I×I×R×t(カロリー)となり、
瞬間、瞬間の発熱では、I×I×R(ワット)となります。

(4)電流による磁界の発生

電磁石に代表されるように、電流が流れると磁界が発生します。
電流の流れる向きと発生する磁界の方向は、「右ネジの法則」で説明されます。

すなわち、螺旋状に巻いたコイルで考えると、コイルに流れる電流の向きが、「右ネジ」の回る方向であるとき、
コイル内に発生する磁界の方向は「右ネジ」の進む方向となります。

下図では、直流電源の例なので、電流の向きも、磁界の向きも一定で変化しません。

一方、次の交流電源の例では、磁界の向きはコイル電流に対応して交互に変化するので、交番磁界とも呼ばれます。

(5)電磁誘導

本題に入ります。

ファラデーは、「磁界の変化する場の中にある金属に、電圧が発生する」という、「電磁誘導の法則」を発見しました。

金属円筒内に直流磁界が鎖交していても、「磁界の変化」が無いので、何も起こりません。

コイルに流れる電流が交流であると、金属円筒に鎖交する「磁界が変化」するので、金属円筒に電圧が誘起されます。
円筒のどの間に電圧が発生するのか、疑問になりますが、円筒の一端が切れた部分に電圧が発生すると考えると理解しやすくなります。

図のように円筒の一端が切れた部分に、「e=-N・dΦ/dt」の交流電圧が発生します。
円筒が一回巻きなので、巻数Nは1となります。

金属円筒の材質・大きさで決まる抵抗Rによって、オームの法則で決まる電流Ieが円筒に流れます。

抵抗のある円筒に電流が流れることで、Ie×Ie×R(ワット)の発熱で、金属円筒が加熱されます。

なお、オームの法則、円筒の抵抗は、分かりやすくするため、直流の概念で記述していますので、
交流を扱う実際の高周波誘導加熱では、複雑な式になります。



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